私には今19歳の息子がいます。
息子が17歳半くらいのときに中度知的障害と診断され、
療育手帳を持つようになりました。
本記事では知的障害に気づくまでの経緯を振り返りつつ、
今思うとあの時の違和感はそういうことだったのか、
という気付きを交えてお話してきます。
高校生になるまで気づいてあげられることができなかったダメな母親の1例として
お読みいただけたらと思います。
目次
息子の未来は明るい
まず言いたい。
知的障害だからといって悲観することはないんだなって。
確かに泣いた。ものすごくショックだった。
でも息子は自分が知的障害だとわかったら生き方を変える決心をした。
すばらしい決心だと思った。
そして私には病院からもらった「心理検査報告書」がある。
生き方を変えると決めた息子をサポートする指南書だ。
息子が決めたことを私は親としてサポートする。
それでいいって思った。
【保育園~中学生】私は何も気づかなかった
知的障害が分かる高校生になるまでの息子の成長を振り返ると、
あの時のことはもしかしたら知的障害の特徴が出ていたのかなと
推測できそうな点もぽつぽつとある気がする。
そんなポイントにしぼって振り返ってみる。
親の私からしたら、うちの子はおねしょがなかなか治らない勉強の苦手な子。
そこになにも疑いは持たず。
知的障害なんて単語すら知らずに育てていた。
なかなか治らなかったおねしょ(夜尿症)
| 小学生 | 毎晩 |
|---|---|
| 中学生 | 週の半分程度 |
| 高校生 | ほぼなくなった |
夜尿症ってやつ。
夜尿症=知的障害ってわけではないだろうけど、うちの息子は夜尿症持ちだったよって話。
治療するために小学校3~4年生の時に病院にも連れて行った。夜尿外来。
2年くらい通院したけど、目立った変化は特になく
通院のモチベが下がってしまって通うのを止めてしまった。
もし、夜尿症患者に知的障害が多いのだとしたら
この時の主治医が気づく可能性もあっただろうし、
やはり関連性は低いのかもしれない。
学校で受けているはずの知能テスト
小学生のころに誰もが受けているであろう知能テスト。
あれはIQを見るものだったはず。
当時は何の連絡もなかった。
だから異常がないと思うのが当然だろう。
私も気づかなかった。
学校側としても気づかなかった。
別に誰も悪くない。
勉強は超苦手だったけど高校受験合格
全般的に勉強は苦手だったけど、特に算数はほぼできなかった。
ただ、算数が苦手って子供は結構多いし
うちの子もその部類だとしか当時は思っていなかった。
算数苦手=知的障害か?なんて思うわけがない。
もしそうならこの世は知的障害者だらけだ。
【高校生】突然の不登校問題
そんなこんなで高校入学まで順調に息子は成長。
事態が一変したのは高1の2学期。
体調不良を訴える
2学期に入ると
- お腹痛いから今日は学校休む
- 気持ち悪くなったから今から早退する
学校を早退したり休むことが増えた。
中学までは無遅刻無欠席の息子が珍しい。
様子を見るも熱もないし他に症状もなさそうだったので病院にも連れて行かず
しばらくすれば治るだろう、くらいに思っていた。
するとある日、息子から突然の吐露。
いじめを受けたんだろうって思いました。
無遅刻無欠席な息子が学校行きたくないなんて信じられない。
どうして行きたくないのかを何回も聞いたけど理由はいまいちはっきりせず。
学校がつまらないから行きたくないを繰り返し言っていました。
すぐに学校側にも連絡し、
思い当たるようなことはないか確認したけれど学校側も特に何もないとの回答。
理由ははっきりしないまま不登校になりました。
メンタルクリニックに通院
学校を休んでいる間、ほぼ自室にこもっていた息子。
ある時息子の様子を見た時にぎょっとしました。
息子は明らかにやせ細っていた。目はうつろ。
これはまずい、と一瞬でわかるレベル。
それと同時に私は猛省。
息子がこんな状態になるまでどうして私は気づかなかったのか。
毎日見ていたはずなのに。
いやちゃんと見てあげられていたと言えるのか?
毎日仕事のことばかりで息子のことをおざなりにしていたのではないか?
とにかくまずい。
学校を休ませて家にいるだけの生活を続けていてははまずい。
翌日、私は仕事を休んで学校に相談。
心理カウンセラーと面談した結果、
メンタルクリニックに行った方がいいとアドバイスを受け、
高校生でも受診できるメンタルクリニックを紹介してもらいました。
メンタルクリニックで心理検査を受ける
メンタルクリニックに受診
先生と軽く会話をして「うん、君大丈夫だよ。全然大丈夫」って言ってくれた。
先生からは「ちょっと簡単な検査があるんだけど受けてみない?」との提案もあり、
「何の検査ですか?」って聞いてみたけど
「得意不得意が分かるような検査だよ」とのこと。
いまいちピンと来なかったけど先生がすすめるなら受けてみようということに。
軽度知的障害という診断
この検査結果で「息子は軽度知的障害」だと診断されました。
予想すらしていなかった。ていうか言葉すら知らなかった。
初めて聞いた単語。そして「障害」って単語の強さ。
は?うちの子が障害???頭真っ白。言葉にならない。
りあえずひたすら泣いたことは覚えています。
障害という言葉をすぐに受け止めることはできませんでした。
受け止めきれないから誰にも相談できない。
ひとりでずっと抱える日々を何か月か過ごしました。
軽度から中度知的障害に
病院で受けた検査で軽度知的障害との診断が出た時に
「療育手帳を取るための手続きを進めてください」と指示を受けていました。
手続きを進めるうえで、似たような検査をもう1度受ける必要があり
その検査を受けた結果、「中度知的障害」との診断に。
「軽度知的障害」→「中度知的障害」に変わったところで
私は特に何とも思わなかったですね。
もう「障害」という言葉が含んでいるだけで私には一生DOT(継続ダメージ)なんで。
心理検査報告書は息子の説明書だった
知的障害の診断を受けた時、A4用紙2枚の紙を渡されました。
その紙には「心理検査報告書」と書かれていて
息子が得意とすること、苦手とすることがびっしりと記載されたものでした。
心理検査報告書を読んだ時に私の中の点と点がつながったんです。
息子が知的障害だと認めずにいた私でしたが
心理検査報告書を読んだら認めざるをえなくなりました。
(写真はかなりセンシティブなもののためモザイクたっぷりにしてます)
家事をたくさん頼むと息子が怒る理由
私はシングルマザーでうちは母子家庭なので
家事を息子にもいつも手伝ってもらってます。
こんな頼み方別に珍しくもない話。よくある風景だと思います。
でもこういった感じで息子に頼むと決まって怒鳴り返されるんです。
「一気に言うな!」って。
別に一気にやってほしいと思って言ってないし、
順番に1つずつやればいいだけなのに
なぜそこまで怒ってくるのかけっこう不思議だったんですよね。
高校生の反抗期ってのもあるし、
やりたくないタイミングで頼んじゃったかな?程度にしか思ってなかったんですが、
心理検査報告書にこう書いてあったことで私の中の疑問とつながったんです。
【心理検査報告書より】
複数の情報を処理する際、
1つの情報を処理しながら別の情報を覚えておくのが苦手
「あれやってこれやって」の頼み方はまさに複数の情報を息子に与えた状態。
息子にとって苦手なことを私がやらせようとしたから怒っていたんだなって気づきました。
異常なくらいに飽きっぽい性格
息子は一緒に外出しても1時間くらいで飽きたから帰りたいって言います。
付き合いの悪い飽きっぽい性格だなあって思ってたんですが、
これもどうやら違う模様。
【心理検査報告書より】
目的やルールが定まらない中で、
長時間集中し続ける必要があるとミスが増えてきたり衝動的になってしまう
今まで感じていた飽きっぽさは性格じゃなかったんだ。ただ苦手だったんだ。
「わかんない」と連呼する理由
学校はどうだった?病院はどうだった?
心配だからあれこれ聞いちゃいますよね。母親って。
そうすると息子から帰ってくる答えはだいたいが「わかんない」でした。
答えるのがめんどくさい、考えるのがめんどくさい
それらを放棄して出た言葉が「わかんない」なんだろうってずっと思ってました。
しかし、これもどうやら違う。
【心理検査報告書より】
様々な視点から言葉や物事を推理・理解し、
言葉で明瞭にアウトプットすることが苦手
「わかんない」ってめんどくさいって意味じゃなかったんだ。
本当にわかんなかったんだ。
得意なこと
一方、心理検査報告書には息子が得意とすることも書かれていて
【心理検査報告書より】
- 耳で聞いたことを記憶してアウトプットすること
- 言語に関する知識
- 判断をともなわない作業ならマルチタスク可能
実際、息子は
- 学生時代、英語や国語は比較的点数が取れていた
- シンプルな家事は私に聞いてやってくれていた
またもやつながりました。
検査でここまで精密にわかるならもう認めざるをえない。
まとめ
そんな感じで息子は今「中度知的障害」との診断を受けて生きています。
17歳より前の段階で気づいてもいいポイントは確かにありました、今思えば。
でも当時は気づかなかったです。
今はもうそれでいいと思ってます。
あの時気づいていれば・・・とたくさんもう後悔はしたから。
これからは前向きに生きていきたい。
だって知的障害が判明して当の本人である息子自身が生き方を変えようとしているんです。
だから私は心理報告書を指南書にそんな息子をサポートし続けるだけ。
それでいいと今は思っています。
